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退職は何か月前に言えばいい? 退職日の逆算計算機 — 民法627条の2週間と、有給が入りきる日数

「何か月前に言えばいい?」の答えは、日付で出ます。

法律上の下限は2週間です(民法627条1項)。伝えた日の翌日から数えて14日目が、雇用の終わる日になります。

有給が残っているなら、最後に出社する日はもっと手前になります。

入れるのは4つだけです。伝える日、出勤している曜日、有給の残り日数、就業規則の予告期間。残日数がまだ分からなくても、0のままで退職日は出ます。

このページが出すのは日付です。有給が何日あるのか、会社に渋られたらどう返すのかは、有給が何日あるかを数えるのほうにまとめています。

退職日の逆算計算機

伝える日を入れると、法律上いちばん早い退職日と、有給を使い切った場合の最終出社日が出ます。 就業規則が「1か月前」の場合の日付も、隣に並べます。どちらを選ぶかは、あなたが決めることです。

もう伝えたなら、伝えた日を入れてください。口頭でも、この日が起点になります。

出勤する曜日(所定労働日)

有給は労働日にしか充てられません(労働基準法39条1項)。だから休みの曜日を先に聞いています。 祝日は内閣府の一覧(2026-01-01〜2027-12-31)を使っています。

前の年からの繰越と、今年の付与を足した日数です。時効は2年なので、それより前の分は残っていません。 分からなければ0のままでも、退職日は出ます。

就業規則に書いてある期間です。法律の2週間とどちらが優先するかは説明が割れているので、 このサイトは両方の日付を出します。

先に辞めたい日が決まっている人 — 「3月いっぱいで」「9月末で」と考えている場合は、下の早見表の「月末で辞めたいときの逆引き」を見てください。退職日から数えて、伝える期限のほうが日付で出ます。

早見表:言った日と、辞められる日

計算機を使わなくても読める形にしてあります。数え方は民法140条(初日不算入)と143条2項、 そして627条1項の2週間。土日も祝日も年末年始も、そのまま1日として数えます。

曜日で覚える(この形は年が変わっても動きません)

伝えた曜日と、法律上の退職日の曜日(民法627条1項)
伝えた曜日 起算日(翌日) 14日目=退職日の曜日
日曜日 月曜日 日曜日
月曜日 火曜日 月曜日
火曜日 水曜日 火曜日
水曜日 木曜日 水曜日
木曜日 金曜日 木曜日
金曜日 土曜日 金曜日
土曜日 日曜日 土曜日

伝えた曜日と、辞められる曜日は必ず同じになります。金曜に言えば、2週間後の金曜が最後の日です。

日付で見る(2026年9月1日〜2027年8月31日)

伝えた日から、法律上いちばん早い退職日まで。右端は就業規則が「1か月前」だった場合の日付(法律上の期限ではありません)
伝えた日 起算日 最短の退職日(民法627条1項) 就業規則が1か月前の場合

月末で辞めたいときの逆引き

その月の末日に雇用を終わらせるには、遅くともいつ伝えるか(民法627条1項の線)
退職日(月末) 伝える期限

この期限は法律上の下限です。就業規則に予告期間の定めがあるなら、上の表の右端の列も見てください。 どちらに合わせるかは、あなたが選ぶことです。

この日付が意味していること

出てくるのは3つの日付です。それぞれ、意味が違います。

  • 退職日 — 雇用契約が終わる日です。民法627条1項は「二週間を経過することによって終了する」と書いていて、「終了させることができる」とは書いていません。会社が承諾するかどうかを条件にしていない形です。厚生労働省「確かめよう労働条件」も、大阪労働局のよくあるご質問も、同じ説明をしています。
  • 最終出社日 — 最後に会社へ行く日です。法律上の区切りではなく、有給をどう充てたかで決まります。退職日とは別物なので、両方を伝えたほうが話が早くなります。
  • 有給を使い始める日 — この日から退職日までは、在籍したまま出社しない期間になります。籍は残っているので、社会保険もその間は続きます。

伝えた日は数に入りません。民法140条が「期間の初日は、算入しない」と定めているからです。そして143条2項が、最後の週の起算日に応当する日の前日に満了する、と続きます。

だから、伝えた日と同じ曜日の2週間後が最後の日になります。金曜に言えば、2週間後の金曜。カレンダーの上でも確かめられる形です。

この計算が当てはまらない人・ずれる場所

自分がこの表に居なければ、出た日付をそのまま使って大丈夫です。居たときだけ、右の列を見てください。

計算の対象外になる条件と、その場合にどこを見るか
条件どうなるか根拠
契約期間が決まっている(有期雇用契約)民法627条1項の対象外。出口は「期間の満了」「やむを得ない事由による解除」「1年を超える契約で初日から1年経過後の申出」の3つ民法628条/労働基準法附則137条
1年を超える有期契約で、1年が経った使用者に申し出ることによって、いつでも退職できる。予告期間の定めはない。ただし高度の専門的知識等を有する者と満60歳以上の者は対象外労働基準法附則137条
就業規則に予告期間の定めがあるどちらが優先するかは説明が割れている。この計算機は両方の日付を出すところで止める高野メリヤス事件/大阪労働局の案内
半日単位・時間単位の年休を使うこの計算は1日単位が前提。半日で取る予定があるぶん、最終出社日がずれる労働基準法39条(時間単位の年休は労使協定が必要)
会社の休業日(年末年始・夏季休業)がある所定労働日ではないので有給を充てられない。そのぶん最終出社日は手前になる労働基準法39条1項(年休は労働日に与える)
2028年以降の日付を入れた国民の祝日が休みとして反映されない。祝日データは内閣府が公表している範囲まで内閣府「国民の祝日について」

有給の残日数そのものが分からないときは、給与明細か勤怠システムを先に見てください。

数え方は有給は使い切って辞められるにまとめてあります。勤続年数別の付与日数と、パート・アルバイトの比例付与の表も置いてあります。

「1か月前に言えば有給は全部使える」は、残日数しだいです

1か月前に伝えても、有給を充てられるのは18〜23日ぶんしかありません。

理由は、年次有給休暇が労働日に取得するものだからです(労働基準法39条1項)。もともと出社しない土日・祝日には充てられないので、暦の1か月がまるごと消化に使えるわけではありません。

週5日勤務・国民の祝日を休みとした場合の、1か月ぶんの所定労働日を数えるとこうなります。

月ごとの所定労働日数(週5日勤務・土日と国民の祝日を除く/祝日は内閣府「国民の祝日について」の一覧で計算・2026-08-22確認)
月所定労働日月所定労働日
2026年9月19日2027年3月22日
2026年10月21日2027年4月21日
2026年11月19日2027年5月18日
2026年12月23日2027年6月22日
2027年1月19日2027年7月21日
2027年2月18日2027年8月21日

いちばん少ない月で18日、いちばん多い月で23日。会社の夏季休業や年末年始休業がある場合は、そのぶんさらに減ります。

だから、残日数で分かれます。

残日数別・1か月前の申し出で有給が入りきるか
有給の残日数1か月前に伝えた場合
18日以下どの月でも収まる
19〜23日月によって入りきらない。上の表でその月の日数を確認する
24日以上どの月でも足りない。伝える日を早めるか、退職日を後ろにずらす

勤続6年6か月以降で、前年の繰越分と当年の付与分をどちらも使っていない人は、手元に法定分の上限である40日を持っています。この場合、1か月前の申し出ではどの月でも入りきりません。必要なのは、およそ2か月です。

ネットの解説が「退職は1か月前が一般的」と書いているとき、そこで数えられているのは暦の1か月であって、あなたの残日数ではありません。必要な期間を決めているのは、慣習ではなく残日数のほうです。上の計算機に残日数を入れると、その月のカレンダーで実際に何日入るかが日付で出ます。

日付が出たあと、次にすること

出た日付をどう使うかは、あなたの状況で変わります。当てはまる行を1つ選んでください。

状況別の次の一手
いまの状況次に見る場所
日付は決まった。伝え方を整えたい退職は法律上2週間でできるで、条文の読み方と就業規則とのつきあい方を確認する
有給の残日数に自信がない有給が何日あるかを数えるへ。勤続年数別の付与日数と、繰越を入れた上限の数え方がある
「その日は困る」「引き継ぎが終わらない」と言われた会社が渋ってきたときの返し方へ。時季変更権の条文の読み方と、言われる言葉ごとの分岐がある
辞めたあとのお金が心配失業給付の計算機で、1日あたりの額と受け取れる日数を出す。受給期間の期限は離職日の翌日から始まるので、退職日が決まると期限も決まる
未払いの残業代・ハラスメント・金銭の請求が絡んでいる日付より先に相談。弁護士か、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーへ
眠れない・食べられない状態になっている手続きより先に、厚生労働省のこころの耳。費用はかかりません

自分の口から言うのがどうしても難しいなら、誰にどこまで頼めるのかを退職のものさしのトップで整理しています。頼める範囲は運営している主体で変わり、そこは法律で決まっています。

根拠にした条文が、どの法律のどこにあるか

日付の計算は、雇用のルールと期間の計算のルールを組み合わせて出しています。期間の数え方は民法の総則、退職そのものは債権編、有給は労働基準法と、根拠が3か所に散っています。開いた先で迷わないよう、位置を書き出しました。

この面で引いている条文の位置と、e-Gov法令検索がいま表示している版(出典: e-Gov法令検索の法令データAPI/2026年9月6日確認)
条文条文に付いている見出し法律の中で置かれている場所法令番号・公布日表示されている版の施行日
民法 140条(見出しなし・初日不算入)第一編 総則/第六章 期間の計算明治二十九年法律第八十九号/1896年4月27日公布2026年6月24日施行(令和八年法律第四十五号による改正)
民法 143条(暦による期間の計算)第一編 総則/第六章 期間の計算同上同上
民法 627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)第三編 債権/第二章 契約/第八節 雇用同上同上
民法 628条(やむを得ない事由による雇用の解除)第三編 債権/第二章 契約/第八節 雇用同上同上
労働基準法 39条(年次有給休暇)第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇昭和二十二年法律第四十九号/1947年4月7日公布2026年7月17日施行(令和八年法律第六十号による改正)
労働基準法 附則136条(見出しなし・有給取得を理由とする不利益取扱い)附則同上同上
労働基準法 附則137条(見出しなし・有期契約1年経過後の退職)附則同上同上

算出式

ここは読まなくても日付は使えます。「本当にこの日で合っているのか」と思ったときに、戻ってきてください。手で検算できるように、式をそのまま置きます。

この計算機が使っている式と、その根拠
出しているもの式根拠
起算日伝えた日 + 1日民法140条(初日不算入)
退職日(法律の線)起算日 + 14日 の前日 = 伝えた日 + 14暦日民法143条2項・627条1項
退職日(就業規則の線)起算日の◯か月後の応当日 の前日。応当する日が無い月は、その月の末日で数える就業規則の定め。応当日が無い月の扱いは、このサイトの計算の約束
有給を充てる日退職日から過去へ、所定労働日を残日数のぶんだけ確保する(退職日が所定労働日なら、その日も充てる)労働基準法39条1項(年休は労働日に与える)
最終出社日有給を充てた並びの、直前にある所定労働日同上
所定労働日出勤する曜日にあたる日から、国民の祝日と会社の休業日を除いたもの祝日は内閣府「国民の祝日について」の一覧(2026年・2027年ぶん)

条文の文言は、下の出典からそのまま読めます。計算の中身はテストで固定してあり、うるう年・月をまたぐ場合・年をまたぐ場合を含めて、公開前に毎回検算しています。

日付が決まれば、あとは順番の話。

怖いのは、知らないからです。知れば、ただの手続きになります。

数え終わったら、やることは3つだけです。

  1. 伝える日を決める — この計算機が出した日付から逆算します。伝えた日が起点なので、そこだけ動かさないでください。
  2. 最終出社日と退職日を、両方セットで伝える — この2つは別の日です。片方だけ言うと、引き継ぎの相談がかみ合わなくなります。
  3. もめる要素があるなら、先に相談先を決める — 未払いの残業代、ハラスメント、金銭の請求。この3つが混ざっているときだけは、日付より相談が先です。

辛いのは、耐えなくていいものです。日付は逃げませんから、いつでも戻ってきてください。

よくある質問

退職は何ヶ月前に言えばいいですか。
法律上の下限は2週間です。民法627条1項が「解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。数え方は、伝えた日の翌日から数えて14日目。伝えた日と同じ曜日の2週間後が、雇用の終わる日になります。就業規則に「1か月前までに」と書いてある会社も多いので、この計算機は法律の線と就業規則の線を両方出します。どちらに合わせるかは、あなたが選ぶことです。なお有給を使い切って辞めたい場合は、必要な期間が残日数で変わります。2週間では足りません。
1か月前に言えば、有給は全部使えますか。
残日数によります。年次有給休暇は労働日に取得するもの(労働基準法39条1項)なので、充てられるのは出社する予定だった日だけです。週5日勤務で国民の祝日を除くと、1か月の所定労働日は18〜23日にしかなりません(2026年9月〜2027年8月を内閣府の祝日一覧で計算した実測値)。残りが18日以下なら、どの月でも1か月前の申し出で収まります。20日を超えていると月によって入りきらず、勤続6年6か月以降で繰越と合わせて満額の40日を持っている人は、1か月前ではどの月でも足りません。その場合は伝える日を早めるか、退職日を後ろにずらすかの二択になります。
月末で辞めたいのですが、いつまでに言えばいいですか。
退職日から14暦日さかのぼった日が、民法627条1項の線での期限です。伝えた日は数に入らないので(民法140条の初日不算入)、たとえば9月30日を退職日にするなら9月16日までに伝えれば足ります。このページの早見表に「月末で辞めたいときの逆引き」を置いてあり、12か月ぶんの期限日を日付で確認できます。就業規則に予告期間の定めがある場合は、そちらの日付も早見表の右端の列に並べています。
土日や祝日も、2週間の中に数えるのですか。
数えます。民法627条1項の「二週間」は暦日で、営業日に読み替える規定はありません。年末年始に伝えても、休みの分だけ後ろにずれることは起きません。ただし有給の消化だけは別で、年次有給休暇は労働日に取得するもの(労働基準法39条1項)なので、最終出社日の逆算は所定労働日で数えます。この計算機も、退職日は暦日、有給は所定労働日で分けて計算しています。
就業規則に1か月前と書いてあります。2週間で計算した日付で伝えても大丈夫ですか。
そこは、はっきり決まっていません。裁判例には、就業規則で予告期間を1か月前に延ばした定めを民法627条に反するとして無効と判断したもの(高野メリヤス事件・東京地判昭和51年10月29日)があります。一方で大阪労働局のよくあるご質問は、就業規則に退職の規定がある場合は原則として就業規則が適用されるとしたうえで、極端に長い予告期間は公序良俗の見地から無効とされる場合もある、と書いています。このサイトはどちらが勝つかを判定しません。だから両方の日付を出しています。
有給を全部使うと、最終出社日はいつになりますか。
退職日から過去にさかのぼって、所定労働日に1日ずつ有給を充てていきます。その並びの直前にある所定労働日が、最後に出社する日です。土日・祝日・会社の休業日は消化にカウントしません。計算機に残日数と出勤する曜日を入れると、その日付が出ます。半日単位・時間単位の年休はこの計算に入れていないので、使う予定があるならその分だけずれます。
契約社員です。この計算機は使えますか。
契約期間が決まっている働き方(有期雇用契約)は、民法627条1項の対象から外れます。この計算機が出すのは、期間の定めのない契約の日付です。有期契約の出口は、期間の満了を待つ、民法628条のやむを得ない事由による解除、労働基準法附則137条(期間が1年を超える契約で、初日から1年を経過した日以後は申し出によっていつでも退職できる)の3つです。ただし附則137条は、高度の専門的知識等を有する者と満60歳以上の者が対象から外れます。
会社が退職届を受け取ってくれない場合、この日付は動きますか。
民法627条1項は、受け取ったかどうかを条件にしていません。「解約の申入れの日から」二週間の経過で終了する、という書き方です。大阪労働局も、期間の定めのない雇用契約について会社の同意は必要ないと案内しています。ただし後から「言った・言わない」で争いになると立証の問題が残るので、伝えた日付が形に残るようにしておくと、この計算機が出す日付を自分で守りやすくなります。

出典

  1. e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第627条・第628条・第140条・第143条(確認日 )
  2. e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第39条・附則第136条・附則第137条(確認日 )
  3. 厚生労働省 確かめよう労働条件「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」(確認日 )
  4. 大阪労働局 よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)(確認日 )
  5. 長崎労働局 労働法の基礎講座 第45回【退職】(確認日 )
  6. 東京労働局 しっかりマスター労働基準法 有給休暇編(確認日 )
  7. 内閣府 国民の祝日について(祝日一覧CSV)(確認日 )
  8. 愛知県雇用労働相談センター(厚生労働省事業) 有期労働契約の中途退職(確認日 )
  9. 高野メリヤス事件(東京地判昭和51年10月29日)の解説(確認日 )
  10. 厚生労働省 こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)(確認日 )
  11. e-Gov法令検索 法令データAPI(条文の見出し・章立て・法令番号・公布日・表示中の版の照合に使用)(確認日 )